択捉中砥石
天然砥石に火がついて何年が経ったであろうか?
そんな中こんな砥石を手に入れた
択捉中砥石
なんじゃそりゃ?
見た目は対馬黒名倉砥石ににている
触った感じはすべすべで叩くとキンと硬質な音
結構硬め?のようだ
面がまともに出ていない、てか原石なので一部分だけ面出しをしてカンナの刃を研ぐ
このカンナ刃は台がないので性能は試せないが、
刃こぼれしようが壊れようが関係無く生贄に出来る研ぎ用のお試し刃なのである
めちゃくちゃ高い刃物を試し研ぎして
壊しちゃったら怖いですからねw
早速試してみよう
一部だけ面だしをした択捉砥石
硬くて面出しも苦労する
人造砥石でカンナの刃を荒〜中仕上げにしておく
砥石を掛けた時の比較用である
最初は研磨力が低く
ゴミ石かと思いきや
研泥を巻き込みながら研ぐと驚きの結果となった
鋳造折り返し部分が曇り気味に
そして肝心の刃は見事に鏡面仕上げとなった
研ぎやすく石の減りも殆どなく
一本採りなら最高の中砥石かもしれない
切れ味もそこそこある
ここから更に仕上げ砥石を掛けると面白い結果になりそうだ
ここで本物の対馬黒名倉を見てみよう
この対馬黒名倉は今では超激レアな地上採掘品である※多分明治〜大正時代の品
通常、対馬黒名倉とは海底採掘品で
空気に触れると割れてしまうらしい
だから名倉として一般販売されている商品は
カシューか漆かで養生をしてある。
択捉砥石と対馬黒名倉を比べると
左 対馬黒 右 択捉砥
…まんまじゃね?
硬さはこの対馬黒の方があるかもしれないが
研ぎやすさだったら択捉砥かもしれない
研ぎ泥についてだが
ダイヤモンドで面直しをすると真っ黒な研ぎ泥が出て手に残る
これが対馬黒の特徴であります!
対馬黒は日本刀の研磨にも使われるらしい
(この砥石も大き過ぎる為、元は日本刀用だったのでは?と考察)
対して択捉砥石は茶色?っぽい研ぎ泥である
石の色が黒っぽいのに研ぎ泥は茶色とは中々面白いな〜と思ったけど
実はもう一個対馬黒?を持っていて
それがこちら
両方対馬黒であり
右は整形加工がしてあります
これも地上採掘品の対馬黒名倉…かな?
地上採掘品何個持ってるんだよwって話ですが
こいつ、本当に対馬黒か?って最近は思っている(硬くて浅葱とかに似てる)
この整形済み対馬黒の研ぎ泥がまさしく茶色っぽくて択捉砥石にそっくりなのである
採掘場所(地層)によって色味と泥の色が違う事はあるだろうから分からないが…
浅葱そっくりってのも問題だけどねw
京都以外の仕上げ砥石って事になるからさ
外交問題になるのかも?ならんかw
今回検証した択捉砥石は限りなく対馬黒名倉にそっくりということが分かった
地上採掘品が未だに出るのであれば
かなり希少だろう
対馬黒も採掘がほぼ終わってしまったらしいし
今後10年、20年、50年経った後
完全枯渇した対馬黒に成り代わる事が出来るのであろうか?
とりあえず一本採り出来そうな位の原石下さい笑
お願いしますw